なぜ、財務大臣はあんなに忙しいのに岡崎にきてくれたのか?

先月、私が所属している自民清風会から
東京へ出向いて
片山さつき財務大臣へ岡崎市からの要望書を
直接手渡しさせていただきました

8月初旬
ものすごくお忙しいタイミングにもかかわらず
片山財務大臣が愛知県に入られ
その日の夕方には
岡崎まで来てくださったんです

そこで以前からお約束いただいていた
自民清風会向けの勉強会を
開催してくださいました

勉強会が終わった後には場所を移して
市長や地元選出の国会議員、県議会議員も交えて
懇談会も行いました

その姿を見ながら
私ずっと思っていたんですよね

なぜ、こんなに忙しい財務大臣が
わざわざ岡崎まで来てくださるんだろうって

今日はそのことから、地方財政のお話
そして私たち地方議員の役割について
なるべく噛み砕いてお話をしたいと思います

財政力指数って、そもそも何なんだろう

まず今回は
少し地方財政のお話から始めたいと思います

私は市議会議員なので
岡崎市のお金の使い方
いわゆる地方財政について
審議をする立場ですが

皆さん、自治体によって
使えるお金の力が違うということを
意識されたことはありますでしょうか

「財政力指数」という言葉があります

もうね、この言葉を聞いただけで難しいでしょう

私も地方財政のお話は
そんなに得意な方ではないですが
なるべく簡単にお話ししますね

例えば、一つの市を運営するのに
100万円必要だとします

その100万円を
自分たちで集めた税金などで
全部用意できる自治体だったら
100点満点というようなイメージです

これが財政力指数でいう「1.0」です

(財政力指数 = 基準財政収入額 ÷ 基準財政需要額)

そして今、岡崎市はこの財政力指数が
ちょうど1.0くらいなんですね

そうすると何が起こるかというと
岡崎市は国から「普通交付税」を受け取らない
「不交付団体」になります

『自分たちで必要なお金を集められるよね
だったら国から不足分を補うお金はいらないよね』
という考え方です

ここまで聞くと
「岡崎ってお金持ちなんだ
だったらいいじゃない」
と思いますよね

私も最初はそう思っていました
多くの方が、きっとそう思うと思います

でも実は、単純に「お金持ちだから得」
という話でもないんです

上位5%に入っているからこその難しさ

例えば国が、「子育て支援を充実させましょう」
と政策を出したとします

または、「介護サービスを充実させましょう」
という政策を出す

こういう国の政策を実際に自治体で行う時には
国が何割、県が何割、市が何割という形で
費用を負担することがあります

その時、財政力指数が低い
つまり税収だけでは十分にまかなえない自治体には
国がお金の面で支えますよという
「財政措置」が行われます

でも岡崎市は先ほどお話ししたように
財政力指数が約1.0です

そうすると、この財政措置を
受けられない場合があるんですね

国の政策を同じように実施するのに
財政力指数が1.0を下回っている市には
国から支援がある

でも岡崎市は
「自分たちでできますよね」ということで
自分たちで負担しなければいけない

そんなことが起こるわけです

全国には1718の自治体がありますが
その中で不交付団体は86団体程度
全体の約5%です

岡崎市はその上位5%に入っているんですが
1.0がボーダーラインですから
その不交付団体の中では
決して余裕があるわけではないんですよね

税収はあるから自分たちでやってください

でも、ものすごく余裕があるほどのお金が
あるわけではない

これが今の岡崎市の状況なんです

例えばお隣の西尾市は財政力指数が0.94くらい
岡崎市が約1.0

数字だけを見ると
「そんなに違わないじゃない」
と思うかもしれません

でも、この少しの違いによって
国の財政措置を受けられるかどうかが
変わる場合があります

もちろん、私は
岡崎だけ特別扱いしてくださいと
言っているわけではありません

岡崎市には、一生懸命働いて
税金を納めてくださっている市民の皆さんがいて
たくさん税金を納めてくださっている
企業さんもあります

みんなが頑張っているからこそ
税収を確保できている自治体なんです

なのに国の政策を実施する時には
財政力指数が1.0であるがために
かえって負担が大きくなってしまうことがある

「この仕組み、一度考えていただけませんか」
ということを、私たちはずっと訴えているんです

数字の話に見えて、実はすごく身近な暮らしの話

「そんな地方財政の話、自分には関係ないよ」と
思われる方もいらっしゃるかもしれません

でもね、これ、ものすごく身近な話なんです

例えば子育て支援

保育園に第1子を預けていて
第2子を妊娠して育休を取った時に
自治体によっては
第1子がそのまま保育園に
通い続けられるところもあります

一方で、岡崎市では条件によって
第2子の育休中は
第1子が退園しなければならないということが起こります

これ、子育てをされている方からしたら
大きな違いですよね

市の立場としては、保育園を利用していただくには
それだけ経費がかかりますし
保育士さんも確保しなければいけません

国からは
「子育て支援を充実させてください」と言われる

でも自治体には
それを実現するだけのお金の余裕が必要になります

だから同じ国の政策のもとで子育てをしていても
住んでいる市によって受けられる支援に
違いが出てくることがあるんです

介護も同じです

岡崎市のお隣には
財政が非常に充実している豊田市があります

例えば、介護保険には
一定額まで住宅改修を利用できる制度がありますが
豊田市にはそれに加えて
市独自の住宅リフォームに関する支援制度があります

岡崎市にも昔は上乗せの制度がありました

でも財政が厳しくなってくる中で
市独自の制度はなくなりました

もちろん、全てが財政力指数だけで
決まる話ではありません

でも、同じ介護をしていても
住んでいる市によって受けられるサービスが違う

同じように子育てをしていても
隣の市とは制度が違う

こういうことは実際に起きていて
岡崎市の置かれている立場を国へお伝えする必要がある

だからこそ、この現状を国の政策を作る側にも
きちんと伝えていく必要があると私は思っています

市だけでは変えられないことを、国へ届ける

今回、片山さつき財務大臣が岡崎まで来てくださり
財政についての勉強会をしてくださいました

その中で質問する時間もあったんですが
参加者は14人いましたので
当然一人が長々と話せるわけではありません

私も本当に一言二言というくらいの時間でした

その中で私がお話し出来たのは
介護現場の人たちが抱える想い

介護の現場で何が起きているのか

人手不足の問題

家族を介護する人たちの介護離職の問題

今は介護保険制度だけではまかないきれない課題が
現場に本当にたくさんあります

そういうことを
片山大臣にお伝えさせていただきました

片山大臣は
節目節目で岡崎へ来てくださるんですよね

私の選挙の時にも来てくださいましたし
何度かお会いする中で
「前田さんは介護の人よね」というイメージも
持ってくださっています

もちろん私が一度お話ししたからといって
すぐに国の制度が変わるわけではありません

でも私は、何度でも現場のことを
お伝えしていきたいと思っています

私は市議会議員です

だから、市でできることは当然、市でやります

でも、市だけでは解決できないこともあるんです

国の制度が原因なら
国会議員にお話ししなければいけない

県の問題なら県へつなぐ必要がある

その橋渡しをすることも
私たち地方議員の
大切な役割なんじゃないかなと思っています

「お願いできるからすごい」ではなく、暮らしへ返していくために

今日は地方財政という
私自身そんなに得意ではない難しいお話をしました

「やっぱりよく分からなかった」という方も
いらっしゃるかもしれません

でも、なんとなくでもいいので
こういう仕組みがあるんだなと
知っていただけたらと思います

岡崎市の財政力指数は約1.0

全国の自治体の中では
上位約5%に入る不交付団体です

でも上位5%に入っているからこそ
国の政策を実施する時に
自治体の負担が大きくなる場合がある

まずはそのことだけでも
つかんでいただけたらうれしいです

そして今回、こうした地方の実情や
私がいる介護業界の実情を
国の財務大臣に直接お伝えできる関係性が
あるということは
私が今自民清風会に所属させていただいているからこそ
いただけた機会だと思っています

そこは本当にありがたいことだと思っています

ただ、「財務大臣にお願いできるからすごいでしょう」
という話ではありません

私は地方議員で、政治の端くれにいる人間です

政治って
お願いするだけの仕事ではないと思うんです

現場の声を届けて、社会課題を解決するために
今ある制度をどう整えていくのか

そして、それを
皆さんの暮らしにどう返していくのか

そこが私たちの仕事なんじゃないかなと思います

地方交付税の話も
財政力指数の話も
単なる数字の話ではありません

その数字の向こう側には
一生懸命子育てをしているお父さん、お母さんがいる

介護に悩んでいるご家族がいる

そして地域で暮らしている
私たち一人ひとりの生活があります

「地方議員ってこんな仕事もしているんだ」
ということを知っていただけたら嬉しいです

片山さつき財務大臣って本当に素敵な方なんです

そして最後に
ちょっと個人的なお話もしたいと思います

片山さつき財務大臣
本当に素敵な方です

私が何を素敵だと思うかというと
やっぱりお人柄なんですよね

一番最初にお会いしたのは
もう5年、6年くらい前だったと思います

それから何度かお会いしていますが
毎回在り方が変わらない

本当に頭の良い方ですし
ものすごく優秀な方だと思います

でもね、私
一度も「見下された」と感じたことがないんです

「この人、こんなことも知らないの?」
というような態度をされたことが一度もない

いつもフラットに接してくださって
こちらの話をしっかり聞いてくださいます

同じ女性として
これだけ優秀な方が財務大臣でいらっしゃることを
誇らしく思いますし
今回の勉強会では
なんと私、片山大臣の隣の席だったんですよ

1時間以上
すぐ隣でお話を聞かせていただきました

もう、オーラを浴びるような感じです

本当にありがたい時間だったなと思います

そして、こういう貴重な機会をいただいた時に
現場で今何が起きているのか
自分が何を伝えたいのかを
短い時間でもパッと伝えられる力も
必要だなと改めて感じました

せっかく現場の声を
国へ届けられる場所にいるのであれば
そのチャンスを
きちんと生かせる自分でいなくちゃいけない

今回の片山さつき財務大臣の岡崎訪問は
地方財政について学ぶだけではなく
私自身の地方議員としての役割や
これからもっと研鑽していかなければいけないことも
改めて考える、とても貴重な機会になりました