新潟市アグリパークを行政視察

日本初の公立教育ファームを視察
4つの柱で事業が構成される
・教育ファーム
・6次産業化支援
・就農支援
・アグリスタディプログラム

特に今回は「アグリスタディプログラム」について
行政視察、調査を行ってきました

全国有数の農業都市なのに市民が知らない?

水稲の収穫量日本一の新潟市
米の他にも野菜、花き、すいか、なし
日本の有数の農業都市である新潟市なのだけど



2014年アグリパークオープン前
子供たちはそのことを知らない子が多かった



子供たちが誇れるためには教育が必要
農業を通じて多様な体験を通じて学べる場を提供し
ふるさとへの愛情や誇り、生きる力を養うために



日本初の公立教育ファームとして設立された


新潟市アグリパークは
児童、生徒、一般の方向けに
圃場での農作物の収穫
畜舎での家畜の乳搾りや餌やり
調理室でのピザやアイスクリーム作り
などを通じて農業の楽しさ大切さを学べる


独立型コテージ7棟と
二段ベッド式ツインベッドルームを8室
農産物直売所や地元新鮮食材を使用した
古民家風レストランを運営



運営は指定管理でアグリパーク運営グループが運営主体

アグリスタディプログラム

新潟市の学校・園で行う
農業体験学習プログラム

学習指導要領に基づいたプログラム
特に人気なものに「おやさいパーティ」がある

学校教育の一環であるプログラムであるので
授業の単元に基づいて
・事前の学習を行い課題意識を持たせる
・農業体験活動では情報の収集・考えを形成・アウトプット
・体験後の学習で学びの交流を深めをする

単に農業体験ができる施設というだけでなく
公教育を絡めて運営しているところが大きな特徴



「縦割り行政」と言われるように
担当課を跨いで一つの事業を行うというのは
公共事業においては大変なことなのです


新潟市のアグリパーク運営においては
教育委員会と農林水産部が連携し
民間指定管理者と仕事をしている


例えばアグリスタディは
子供たちに実際に説明するのは
民間指定管理者であるアグリパークの職員
なのだけど、



その方達に教育的視点で指導をするのは
教育委員会からやってくる教員が
アグリスタディ指導主事という肩書になる



農林水産部はアグリパークの設置、設備整備
宿泊費、交通費の助成、アグリスタディ指導主事の配置



・教育委員会
・農林水産部
・指定管理者
の三者は常に連携しており月3回程度定例会を実施
運営に必要な連携を密に行っている


農業についての意識調査

「新潟市は、農業がさかんな市です。
農業は、新潟市のじまんになると思いますか。」


という問いに対して
アグリプログラムの実施前後では
3.52ポイントから3.75ポイントへ
肯定的評価に変容するのだという


やっぱり私は教育の力ってすごいなと思うんです



特に子供の頃に置かれた環境は
その後の人間形成に大きな影響を及ぼす



私自身は街中で生まれ育った子供でした
住んでいるところに田んぼはありませんでした
ましてや牛や羊は動物園で見るものでした



小学校の授業で観るNHK教育テレビ
「はたらくおじさん、はたらくおばさん」
でしか農業従事者、畜産業に触れる機会がなかった



当時子供だった私たち世代の中に
職業選択の中に農業、畜産は全くなかった




一方アグリパークのように
公教育の中で農業、畜産体験学習を取り入れる教育を行うと
この子たちが大人になった時
職業選択の中に入ってくるかもしれないし
大学選択する中に入ってくる可能性が高まる




さて、岡崎市に目を向けると
岡崎市も農業、畜産など一次産業があるが
後継者不足は深刻です



さらに人口減少問題も考慮すれば
従来通り家族で自分の田んぼを守る
というのはいささか現実的ではなく
営農事業者に委託するという選択肢を選ぶ場合が増えている



未来ある若者が農業を職業とするならば
稼げる農業を目指すべきであると思う




公教育の中で農業体験を取り入れること
日本の一次産業の後継者問題という切り口だけで考えても
大変に意義のあることだと思うし



ふるさとを誇りに思う心を育てること
命の大切さを学ぶこと
五感を駆使することを実感すること
専門家の存在を知ること
農業の中にはさまざまな教育の種があるのではないだろうか




改めて教育の大切さ可能性を学んだ視察でした