熊本城バリアフリーを視察

平成28年熊本震災で
熊本城の石垣が崩れた映像は
とてもショッキングであった



一体どうやってお城を直していくのか
テレビの映像を見ながら
大変な道のりだろうなと考えていた


7年が経過し天守閣の改修が行われた
熊本城バリアフリー化について
視察をしてきた


平成30年3月に策定された
熊本城復旧基本計画に基づき
まず初めに手掛けられたのが
復興のシンボル「天守閣」の早期復元であった




天守閣復元に合わせて
特別見学通路の整備と
バリアフリールートを設置


今回の現地視察は
車椅子に乗り調査をした
車椅子介助をする体験もした

電動アシスト付き車椅子で熊本城観光ができる

熊本城には合計10台の電動アシスト付き車椅子
が用意されている


私は 20年介護の仕事をしているが
実は初めて電動アシスト付き車椅子を見た




操作性が非常に高く
下り坂ではギアが下がり
グリップから手を離しても車椅子は暴走しない



熊本城内にはかなり急な上り坂が1箇所だけあり
必要時には係員さんが手助けしてくれるが
手助けがなくとも 難なく操作をすることができた



体重が80キロ近くある大柄な男性を車椅子で介助したが
小柄な私でも難なく操作ができる
車椅子の小回りも利くのでストレスなく介助ができた





観光案内所で電動アシスト付車椅子を借り
車椅子に乗ったまま
天守閣の最上階までストレスなく行くことができた



かつて私がヘルパーをしていた時代に
小児麻痺の障がい者の方(大人)を
東京ディズニーランドまでお連れしたことがあるが



東京ディズニーランドも車椅子の方に配慮した
バリアフリーの園内設計となっていると感じた


(触れる熊本城模型 目が見えない人に配慮した展示)


熊本城もそれと同じくらい
車椅子での移動にストレスがない城内設計だと感じた


車椅子からの視点も意識した特別見学通路

そして圧巻なのが特別見学通路だ
約6メートルの高さの特別見学通路を設置




見学通路は大切な史跡を損傷させない設計で
基礎は地面を削るのではなく
置き型の基礎を採用


6メートルの高さの見学通路を支える支柱は
アーチ型とすることで少ない支柱の数で
支えられる構造となった



あえて近代的なデザインにすることで
従来から構造物でないということが分かる工夫もしてある



実際に車椅子に乗って視察を行ったが
柵がメッシュ構造のため視点が低くても
自分が「見たいもの」を見ることができた


  • 地下遺構を傷めない設置としたこと
  • 二次災害を防ぐ工夫をしたこと

特別見学通路を設置したことで
観光客が立入禁止区域に入れない
そのため 安全に工事を進めることができるという



また6メートルの高さの通路としたことで
通常は見られない石垣の復旧作業を
一般の人が見学することができた


復旧作業の過程も見せることで
さらに愛着が湧き
応援の機運が醸成する効果があったという

岡崎城のバリアフリーはどうだろうか

熊本城視察を担当してくださった職員さんが仰った



「震災前はあるのが当たり前だったお城でした
しかし 石垣が崩落した時 とてもショックだった
失って初めて私たちにとってお城が
こんなにも大切なシンボルであったことに気がついた。」



岡崎にも城がある
岡崎市民にとって あって当たり前の城である
その価値について改めて考えることすらない



春になると桜が咲き
夏には花火が上がり
秋には紅葉が美しく
冬は時に雪景色となる



四季折々の岡崎城の光景が
当たり前の景色となっていることは
実は幸せなことなのだ



もっと岡崎城を活用できる可能性がある



今回の視察で乗った
電動アシスト付き車椅子を活用したとしても
岡崎城の天守閣までは登ることはできない



本市が目指す ウォーカブルなまちづくり
今一度 岡崎城のバリアフリーについて検討し
視点を変えた観光施策ができることを提言したい