西区”こども銭湯”を視察
名古屋市西区で行われている
「こども銭湯」という取り組みを視察してきました
今、国では孤独・孤立対策事業など
地域共生社会の実現に向けた取り組み推進されており
各地で事業が進められていますが
その中でも西区の実践がとても興味深かったので
実際に見てきました

西区の銭湯”八千代湯”での取り組み
私は昭和47年生まれです
子どもの頃は近所に駄菓子屋さんがあって
放課後ランドセルを置いてから
祖母からもらった50円を握りしめて駄菓子を買い
公園で友達と遊ぶ、そんな子ども時代でした
テレビゲームもまだ主流ではなく
なんとなく集まって、なんとなく過ごして
気づけば夕方になる、あのゆるやかな時間
今回見たこども銭湯の雰囲気は
まさにあの頃の空気そのものでした
会場は西区にある八千代湯という昔ながらの銭湯
主催は名古屋市西区の民生子ども課
対象は小学4年生から6年生
学期中は週1回、午後3時から6時まで
長期休暇中は週4回実施されています
昨年7月頃から始まったまだ新しい取り組みですが
すでに地域の中で自然に息づいている印象でした
私自身、名古屋市の出身で
土地勘もあるのですが
西区というのは名古屋市の中でも
わりと下町の雰囲気が残るところです
そんな西区にある八千代湯さんは
昔ながらの銭湯として今も続いていて
近所の常連さんが通っているだけじゃなく
今のサウナブームもあって
八千代湯さんのサウナはすごく有名なんだそうです
そんな地元に根付いた
銭湯の一角を活用している事業です

支援する側とされる側を分けない場づくり
八千代湯の代表は30歳前後の若い方で
先代のお父様から銭湯を引き継ぎ
新しい銭湯のあり方を模索している中で
西区から声がかかり
この事業が始まったそうです
もともと喫煙スペースだった場所を改装し
子どもたちの居場所として提供
運営は全国介護支援協会が受託し
総括責任者や男女それぞれの支援者を配置するという
条件のもとで実施されています
けれど印象的だったのは
支援する側が主役ではなく
子どもたちが主体的に
”ただそこにいる”ことができる場を
支援者側により丁寧に作られていました
銭湯の待合スペースで
宿題をするでもなく
ただ集まって過ごす子どもたち
また、おもしろいなと感じたのは
そこに地元高校のボランティア部の生徒が関わり
大人と子どもの間をつなぐ存在になっていること
将来的には行政主導から地域へと移行していく
そんな構想も描かれていて
今の段階からその未来を見据えた設計がなされています
既存の地域資源である銭湯を活かし
地域の若者が関わり
自然な関係性が生まれる仕組み
これは多世代交流や孤立対策といった
国の方向性とも重なりながら
無理なく実装されている好事例だと感じました


福祉は「関係性」をどうつくるかへ
社会保障費の増大、核家族化、独居高齢者の増加
共働き世帯の増加、ヤングケアラーや不登校の問題
孤独が社会課題となる今
福祉はサービス提供にとどまらず
関係性をどう生み出すかへと
視点が移っているのではないか
支える側と支えられる側を分けない社会へ向かう
その一つの姿をこのこども銭湯で見た気がします
余談ですが、代表の岡本さんと話しているうちに
同じ小学校の出身だと分かり、驚きました
思わぬご縁に話も弾み
地域で何かを生み出す
人のつながりの不思議さも感じた時間でした

今回は名古屋市西区八千代湯さんでの
こども銭湯の取り組みをご紹介しました
これからも福祉の視点を交えながら
地域で生まれている実践を
丁寧にお伝えしていきたいと思います
制度や支援の枠組みだけではなく
人と人が自然につながる場があることの意味を
改めて感じました
地域にすでにある力を活かしながら
関係性を育てていく実践に
これからも目を向け続けたいと思います



